2012-03-26から1日間の記事一覧

究極の経済学小説――グレッグ・イーガン「しあわせの理由」

経済学では、財は、その使用によってなんらかの効用 utilityを得るための手段です。ここでいう効用とは、快楽であり、幸福であり、欲望の満足です。経済学は財の効率的な分配を研究していますが、それは結局のところ、僕たちが効用を効率的に得るための道具…

至高の恋愛ファイナンス小説――グレッグ・イーガン「ひとりっ子」

たとえば、(1)確実に50円もらえる取引、(2)50%の確率で100円もらえるが50%の確率で何ももらえない取引を考えてみます。期待値はどちらも50円で同じですが、多くの人が(1)の取引を選ぶでしょう。僕たちは、不確実なものが嫌いなのです。このことを経…